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被害者の主張victim's insistence

NHKラジオでの出来事

2012年08月22日

8月17日NHKラジオでのできごと

尾木直樹氏はスタジオ、私は大分の自宅から電話での出演。

話は進み、尾木氏の発言。「加害生徒は悪くないと思っている。プロレスごっこにしても本当にプロレスをやっていると思っている。悪いとは思っていない」。

はたして、そうであろうか?加害生徒が、悪いと思わない見本を作ったのは教育委員会、学校である。いじめは無かった。暴力、恐喝、自殺の練習。けれど、『いじめは無かった』自殺との因果関係は無い。毎日のように暴力を受け、蜂やネズミの死骸を食べろと強要され、恐喝を受け、親の金、親戚の金を盗らされ、万引きをさせられる。こんなことが、3ヶ月間のうちに続けば自殺を考えてもおかしくはない。先生に泣きながら訴えても聞いてもらえない。助けてもらえない。親の金も盗った。一番やさしい、おじいちゃんの家からも金を盗った。身内には助けは求められない。学校の先生は加害生徒から守ってくれない。加害行為を容認し、見て見ぬふり、知らんふりをし、深刻ないじめ。そんな状況を作った学校。

自殺後、被害者を追い詰めた加害生徒を措置して更生の為に導くことをしなかったから、どこが悪かったのかさえ分からない。学校、教育委員会は暴力、恐喝、自殺の練習、何もとがめない。このような事を学校、教育委員会がしていて本当に悪いことをしたと加害生徒が反省し更生するわけがない。文部科学省は、「いじめは加害者の責任」と子どものせいにしてきた。文部科学省と尾木氏は同じことを言う。そこには教育は何も存在しない。

尾木氏が加害生徒は悪いと思っていないというが、いじめとは、自分より弱い立場にある者をわざと苦痛を与え楽しむと辞書にある。いじめは「わざと」苦痛を与え「楽しむ」。前提が弱い人、抵抗しない、できない相手にしかしない。卑怯で卑劣な行為である。だからこそ、学校教育法では、性行不良の生徒、授業を妨げる生徒に対して11,35条で生徒の更生の為に措置するように、学校に義務づけている。わが子、秀猛が自殺したときも同じであった。「いじめは無かった」という校長の言葉からはじまった。文部科学省、教育委員会は「命を絶ってはいけません」と命の尊さを訴えた。一方では、自殺は生徒の自己責任、家庭の問題。地域の人たちは「親が保険金の為に殺した」とありもないうわさした。学校は「いじめは無かった」と一貫していたので、加害生徒に対して措置は無く、更生の機会はなかった。自分のやったことを反省することもできなかった。「いじめを無い」ことにするということは、更生の為の措置ができない。「しない」のではなく「できなかった」。今回の大津市の事件と同じである。学校も教育委員会も加害生徒を導くことなど微塵も考えないで、「いじめは無かった」に終始した。本当にかわいそうなのは加害者である。更生の為に措置されないから、自分の行為がどんなにひどいことか、何が悪かったかさえ分からない。学校、教育委員会は落ち度が無かったかの如く、世間に発表する。そこには、教育者としての姿は何も感じることはできない。

尾木氏が言った「加害生徒は悪いとは思っていない」はそこにある。文部科学省の代弁者であるとはっきりした。

わが子、秀猛が自殺して19日経った日、3組の親子9人が来た。不思議だなと思った。秀猛を恐喝した主犯の生徒の母親は「もっと早く来たかったのですが、学校から行くのを待ってくれ、と言われていました」。と言った。私は愕然とした。葬式の時、校長に一日も早く、遺書に実名が書かれている生徒を連れて来てほしいと頼み、校長は「わかりました」と約束をしたのに。学校は「ここまでやるのか」。警察の取り調べも進み、事件として立件されるだろうと考えた学校、教育委員会は3組の親子が示談に持ち込むために行くようにさせたのでしょう。それから、何日か経ったとき、警察の取り調べが終わった後に、主犯の生徒と母親が来た。「今日、取り調べを聞いてわかったのですが、学校は恐喝やいじめの事は知っていました。学校から私たちに注意があったのはボンタンズボン(服装)や茶髪の事だけでした。もし、いじめや恐喝のことを教えてもらっていたら止めました。命をかけて止めました・・・」その顔は真剣だった。もし、止めていたら秀猛君は自殺しなかったはずと嘆いた。

 その頃から加害者は秀猛の自殺と向き合い始めました。主犯の生徒は本当に悪い事をしたと謝りました。手下の生徒は「僕があんな惨いいじめをしなかったら、あそこまで追い詰めてお金を取らなかったら自殺しなかった。」と泣いて謝りました。
私にとっては、なぶり殺しにしても飽き足らない加害者が目の前に居るだけでも耐え難いのに、秀猛が苦しみを受け自殺に至った経過を聞く事は身を締め付けられる思いでした。
本来なら学校が、何があったのか調べて反省させ、導くのが当たり前なのに、被害者の親である私が、なんで導くとこまでしなければならないのか悔しい思いでいっぱいでした。
私個人で加害生徒を導いたわけですが、学校、教育委員会が容易にできることであるし、義務としてしなければ、ならないはず。

1955年位までは、33年間、いじめ不登校、いじめ自殺はでなかった。そもそも、いじめ不登校、いじめ自殺と言う言葉がなかった。それは歴史が物語っている。

ラジオ番組が終わって電話、メールなど100件以上来ました。いじめ問題の本質が良く分かった。文科省の代弁者、尾木氏には飽き飽きしている。その中で一番わかりやすいメールを紹介します。

本日夕方のNHKラジオを拝聴しました。
大沢さんのイジメに直接対峙してきた経験からの話はとても現実感があり考えさせられました。
やり取りの中で大沢さんが強く主張された部分ですが、私には理解できる気がしました。私が感じたのは尾木直樹氏の話です、内容はともかく日教組の人間がもっともらしい話をすること自体がナンセンスで茶番だと思ったからです。教師の本質を忘れている日教組の存在こそイジメの蔓延に大きな影響を及ぼしていると考えています。

苦しんでいる子供を救うために是非宜しくお願いします。



NPO法人 全国いじめ被害者の会

〒876-0845
大分県佐伯市内町2-30
代表:大澤秀明

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出版物


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「全国いじめ被害者の会」
大澤秀明 著

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